思うままにつづる

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※当ブログは個人の見解であり、所属組織とは関係なく、効果効能を保証するものではありません

あなたは呪文を唱えていないか? - 横文字、略語は、相手に伝えるために使うべき-

エビデンス、ファクト、KPI、KGI、PDCACRMなどビジネスでは当たり前とされる用語はかなり多い。

個人的には使うのは良いと思う。
スローガンにもなりうるし、共通言語として使えば長々と伝えるより明確である場合もある。

しかしこれらの言葉を使うときに相手に伝えることを考えているだろうか。
自らの希望を伝える、楽をして伝えるために使う、さらには呪文のように唱えるだけになっていないだろうか?

PDCAサイクル」は目指すべき状態であり、個別の問題に対する指摘ツールではない

最近ビジネスでは当たり前とされるフレームワークとして、PDCAがある(PDCA自体については今回言及しない)。
よく「PDCAを回すように」「PDCAサイクルがうまく回っていないのでは?」「PDCAができていないのでは?」といった形で使われることも多い。

さて、この言葉を聞いたときに部下や同僚は『具体的に何をすべきか?』が浮かぶだろうか。

もちろん今から何かを始めるときや継続していることの中で意識すべきものとして伝えるのには非常に良い。 ただ、何らか問題があるときにそもそも全部できていないのか、一部できていないのか、相手に伝わるだろうか。

聞いた側が考えるべきというのであればそれでも良いが、直してほしいことがあるなら、お互いのために曖昧さを残さない伝え方をすべきだろう。

「MICEでない」、と言われたときの曖昧さ

MICE(ミーシー)というのは、「漏れなく、重複なく」を意味する略語である。

  • Mutually(互いに)
  • Exclusive(重複なく)
  • Collectively(全体として)
  • Exhaustive(漏れがない)

さて、とある情報をまとめて共有したときに「MICEになっていないので、MICEにしてほしい」と言われたとしよう。 これは「漏れがあった」ことを指しているのか、「重複している」ことを指しているのか、その両方なのかぱっとわからない。

MICEは、目指すべき状態ではあるものの、複数の条件を指しているので、課題指摘の際には曖昧さが残る表現でもあるといえる。

「このあたりに〇〇に漏れがあるようなので、追加してほしい」「〇〇と△△は重複している、他にも重複があるので整理してほしい」と伝えるほうが何を問題視しているか明確であるといえる。そのうえで「MICEを意識して取りまとめてほしい」と追加で伝えればよい。

問題の指摘と意識すべきことは別なので、そこを分けて伝えるのが良いだろう。

おわりに

簡単に例を挙げて今回取り上げた問題点を指摘した。

覚えたばかりで、良いと思っている考え方に紐づく横文字・略語ほど、深い考えなしに口にしてしまう事が多い。 ただし、それが相手にどう伝わるのか、具体的なアクションにつながるのかということは考えるべきである。

自分自身でも気をつけるべき点は多く、改めて意識すべきこととして記した。